まなあさ

朝日みらい教育賞

 未知なるもの、答えがひとつではない複雑な問題に果敢に挑み、新たな価値を生み出す力は、グローバル化や人口減少などに直面する私たちにとって極めて大切です。
 「すでにある答えを覚える」勉強から、「自ら問いを立て、答えを導き出す」学びへ。そんな「学び力」をもった、自律的な人を育む取り組みを応援したい。
 そのために朝日新聞社が創設した「朝日みらい教育賞」の受賞団体を紹介します。

2015年度 第2回朝日みらい教育賞 受賞団体

Minamiこども教室

【グローバル賞】Minamiこども教室(大阪)

大阪の繁華街・ミナミにある大阪市立南小学校の3年生以上の児童や卒業生で、フィリピンや中国など外国にルーツをもつ約30人が毎週1回、足を運ぶ。校区内の公共施設で午後6時から2時間、元教員ら実行委員会のメンバーに学校の宿題を見てもらうほか、日本語の基礎も学んでいる。親の多くがまだ働いている夜の時間帯。子どもたちは「寂しい思いをしないで済み、楽しい居場所になっている」といい、帰りは自宅まで送り届けてもらう。

金沢工業高等専門学校・金沢工業大学
(写真は金沢工業高等専門学校提供)

【グローバル賞】金沢工業高等専門学校・金沢工業大学(石川)

東南アジアの農村で仕事や暮らしを便利にする方法を考えて実用的な道具を作り、現地で検証して改良を重ねる。こんな「課題解決型」の学習プログラムを、他国の学生と共同で実践する活動「ラーニングエクスプレス」に取り組む。途上国の民生向上に寄与しつつ、学生の強い精神力を培うことも目標だ。この3年間はインドネシアを訪れ、現地の学生と約2週間、村にホームステイ。帰国後もメールを送り合い、道具の製作を続ける。
※日本マイクロソフト社から副賞も贈られ、教員1人が3月、ハンガリーのブダペストであったICT教育研修プログラムに招待された。

隠岐國学習センター(島根)
(写真は隠岐國学習センター提供)

【デジタル賞】隠岐國学習センター(島根)

松江市の北約50キロ、日本海に浮かぶ隠岐諸島にある公立の学習塾。西側の3島で唯一の高校がある海士(あま)町に3町村が2010年度に開設した。14年度には、3島の中学生を主な対象にインターネットで結ぶ遠隔授業を開始。生徒たちの学習意欲を高め、学力を引き上げる狙いからだ。通常期は週1回、受験期には週2回、大手学習塾での指導経験がある講師による英語と数学の授業を配信し、15人がタブレット端末などで受講する。

京都文教大学・城陽市市民活動支援センター(京都)

【新聞活用賞】京都文教大学・城陽市市民活動支援センター(京都)

京都府南部の城陽市や宇治市などの小学生に、ほぼ月1回、「子ども記者クラブ」と題する新聞記者体験の機会を提供している。子どもたちはメモ帳とカメラを手に、宇治茶のいれ方や茶器づくりなどの取材に奔走。まとめた記事は地域紙「洛南タイムス」に掲載される。最初は取材相手に声をかけるのをためらっていた子もいつしか夢中で調べ始め、地元への関心を深めていく。取材には洛南タイムス社の編集長や記者が同行。記事の書き方をアドバイスする。

2014年度 第1回朝日みらい教育賞 受賞団体

アメラジアンスクール・イン・オキナワ

【グローバル賞】NPO法人 アメラジアンスクール・イン・オキナワ(沖縄)

「アメラジアン」は、米国人とアジア人の間に生まれた子を意味する。1998年から、そんな子どもたちに英語と日本語で小中学生向けの教育を提供している。①「ダブル」としてのありのままの自己を受け入れる自尊感情を育てる②日本と米国のどちらでも生きていける力を伸ばす――を主な教育目標に掲げる。

公文国際学園 中等部・高等部
(写真は公文国際学園提供)

【グローバル賞】公文国際学園 中等部・高等部(神奈川)

生徒が各国代表として議論し、世界の課題の解決策を探る「模擬国連」を2005年度から毎年開き、他校も参加する大規模大会に育ててきた。海外の大会にも多くの生徒を送り出す。課題解決のための「決議」に向けた他国との調整など国際会議のシミュレーションを通じ、生徒は多様な視点や交渉力を身につける。

公文国際学園には日本マイクロソフト社が副賞を贈呈。教員1人が、4月に米国であったICT教育研修プログラムに招待された。

早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター
(写真は早稲田大学提供)

【グローバル賞】早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(東京)

2002年に創設された早大の一機関として、難民の交流や途上国での学校建設、東日本大震災からの復興などに貢献してきた。学生から公募したボランティアを支援。学生は一過性の体験に終わらせず時間をかけて振り返る。全学のカリキュラムにあるボランティア関連科目と結びつけ、成果を講義で発表、共有する。

先生のための教育事典「EDUPEDIA(エデュペディア)」

【デジタル賞】先生のための教育事典「EDUPEDIA(エデュペディア)」(東京)

小中学校の教員向けウェブサービス。教え方や教材を掲載し、誰もが無料で閲覧できる。モデルのネット百科事典「ウィキペディア」同様、投稿・編集も自由。ベテランのさまざまな知恵を継承することで、教材研究に時間をとりにくい現状の改善もねらう。約2千のコンテンツで「がんばる先生の毎日を応援する」。

エクセラン高校普通科・環境科学コース

【新聞活用賞】エクセラン高校普通科・環境科学コース(長野)

2011年3月に発生した東京電力福島第一原発の事故をきっかけに、新聞を使って放射能の問題やエネルギー政策を学んでいる。環境科学コースの3年生が1学期に集中的に取り組み、報道内容の特徴や時期による変化などを分析。一人ひとりが意見をまとめたほか、記事で知った被災者や専門家を講師に招いた。

グローバル賞 グローバル化時代に生きるための力を重視した教育を表彰する

グローバル社会で生きるための能力、日本・世界が直面する諸課題を理解し、対応するための教育や、学び支援の取り組みで、以下の条件を満たしているものを対象とします。

伸ばそうとする能力についての考え方、取り組みの目指す方向性が明確に打ち出されている(例:コミュニケーション能力の向上、多文化共生の取り組み、自律的市民としての成長を促す市民教育、日本文化に対する理解を深める、社会人基礎力の育成など)。

デジタル賞 情報通信技術(ICT)を利用した学びに

ICTを使った先進的な授業や、学びを支援する取り組みで、以下の条件を満たしているものを対象とします。

① ICTを活用している ② 取り組みの目標・目的かが明確に打ち出されている。

新聞活用賞 新聞を活用した授業へ

新聞を使った意欲的な授業や学びで、以下の条件を満たしているものを対象とします。

① 新聞(デジタル新聞を含む)を活用している ② 新聞を活用する目標・目的が明確になっている。