講義リポート

公立諏訪東京理科大学

3D表示技術を解説 究極の技術も紹介
@熊本県立人吉高校

山口 一弘

工学部情報応用工学科 准教授 山形県出身/山形県立鶴岡南高等学校

 公立諏訪東京理科大学の山口一弘准教授は、熊本県立人吉高校(人吉市)の1年生172人に、「3D表示技術 身近な製品、これから先の技術」をテーマに、オンラインで講義した。


 山口准教授は、3Dテレビに代表されるような、映像を立体として観察する立体表示技術について研究している。講義冒頭、「超高精細な映像が見られる4Kや8K、五感を通じてさまざまな体験が出来るVR(仮想現実)などが身近になってきました」と、最新の表示技術について紹介した。


 その一つとして、今回のテーマである3D表示技術を取り上げ、「3D表示というのは奥行きがあったり、飛び出したりする、立体的な映像や静止画のことです。現実の世界と同様、見る位置を変えると、見え方も変わります」と説明した。


 こうした技術は、テレビやゲームなどのエンターテインメント分野だけでなく、あらゆるところで活用されている。臓器を立体的に把握できる外科手術用の3D内視鏡や、重要文化財の形状データの保存にも使われる3Dスキャナーなどの事例を紹介しつつ、「では、どうして私たちはものを立体的に認識することが出来るのでしょうか?」と問いかけた。


 人間は左右の目から見える視界の差(両眼視差)などによって、遠近感を判断しているという。こういった体の仕組みを利用し、左右の目に異なる映像を見せることで、ものを立体的に認識させるのが3D表示技術だと解説した。


 最後に、現在研究が進められている「究極の3D表示技術」として、光の反射光の干渉を利用して立体像を再生する「ホログラフィー」について、動画も交えて紹介。「今、普及している技術や製品は、過去の偉人たちによる研究の積み重ねです。大学に進むと、興味のある分野について深く学ぶことができます。自分の好きなことや気になることを大切に、進路について考えてみてください」と締めくくった。


 講義後の質疑応答では、男子生徒が「3D表示技術が進化したら、2D表示はなくなってしまいますか?」と質問。山口准教授は「デジタル技術が進化した今でも、紙の本やプリントされた写真など、アナログなものは残っていますよね。それぞれに長所があるので、どちらも残り続けていくと考えています」と答えていた。

公立諏訪東京理科大学

2002年、東京理科大学の姉妹校として開学。2018年、長野県の諏訪地域6市町村が運営する公立大学となった。工学部に情報応用工学科と機械電気工学科がある。2020年には、全学生を対象にした「データサイエンス・AI人材リテラシー教育プログラム」をスタートさせた。

公立諏訪東京理科大学

3D表示技術を解説
究極の技術も紹介
@熊本県立人吉高校

山口 一弘

工学部情報応用工学科 准教授
山形県出身/山形県立鶴岡南高等学校

 公立諏訪東京理科大学の山口一弘准教授は、熊本県立人吉高校(人吉市)の1年生172人に、「3D表示技術 身近な製品、これから先の技術」をテーマに、オンラインで講義した。


 山口准教授は、3Dテレビに代表されるような、映像を立体として観察する立体表示技術について研究している。講義冒頭、「超高精細な映像が見られる4Kや8K、五感を通じてさまざまな体験が出来るVR(仮想現実)などが身近になってきました」と、最新の表示技術について紹介した。


 その一つとして、今回のテーマである3D表示技術を取り上げ、「3D表示というのは奥行きがあったり、飛び出したりする、立体的な映像や静止画のことです。現実の世界と同様、見る位置を変えると、見え方も変わります」と説明した。


 こうした技術は、テレビやゲームなどのエンターテインメント分野だけでなく、あらゆるところで活用されている。臓器を立体的に把握できる外科手術用の3D内視鏡や、重要文化財の形状データの保存にも使われる3Dスキャナーなどの事例を紹介しつつ、「では、どうして私たちはものを立体的に認識することが出来るのでしょうか?」と問いかけた。


 人間は左右の目から見える視界の差(両眼視差)などによって、遠近感を判断しているという。こういった体の仕組みを利用し、左右の目に異なる映像を見せることで、ものを立体的に認識させるのが3D表示技術だと解説した。


 最後に、現在研究が進められている「究極の3D表示技術」として、光の反射光の干渉を利用して立体像を再生する「ホログラフィー」について、動画も交えて紹介。「今、普及している技術や製品は、過去の偉人たちによる研究の積み重ねです。大学に進むと、興味のある分野について深く学ぶことができます。自分の好きなことや気になることを大切に、進路について考えてみてください」と締めくくった。


 講義後の質疑応答では、男子生徒が「3D表示技術が進化したら、2D表示はなくなってしまいますか?」と質問。山口准教授は「デジタル技術が進化した今でも、紙の本やプリントされた写真など、アナログなものは残っていますよね。それぞれに長所があるので、どちらも残り続けていくと考えています」と答えていた。

公立諏訪東京理科大学

2002年、東京理科大学の姉妹校として開学。2018年、長野県の諏訪地域6市町村が運営する公立大学となった。工学部に情報応用工学科と機械電気工学科がある。2020年には、全学生を対象にした「データサイエンス・AI人材リテラシー教育プログラム」をスタートさせた。