講義リポート

小樽商科大学

「コーラ」で国際マーケティング戦略を解説
@香川・高松商業高校

PRAET Carolus

商学部商学科 教授 オランダ出身/ヤンセニウス グラマースクール

 小樽商科大学(北海道)のカロラス・プラート教授は、香川県高松市の県立高松商業高校を訪れた。国際マーケティングなどを研究するプラート教授はオランダ出身。大学では講義を英語で、ゼミ活動を日本語で行っている。この日は英語実務科2年の38人を前に、「世界にコーラを売る挑戦 ペプシの国際マーケティング戦略」をテーマに英語で講義をした。


 プラート教授は初めに、マーケティングそのものを「顧客ニーズを満たす価値を提供することで、継続的に商品やサービスを利用してもらい、継続的に利益を得るための行為」などと定義した。グローバル企業が複数の国でマーケティングをする場合、国ごとに戦略を変えるのか、あるいは国際標準として同じ戦略をとるのかが主な課題だと指摘し、その二つを組み合わせて製品やプロモーションを展開するペプシコーラの事例を紹介した。


 同社主力製品のコーラには世界共通の部分がある一方、欧米では「ダイエット」という言葉に抵抗感を持つため、商品名につけるのを避けているという。また、日本では「強炭酸」「強カフェイン」の刺激によるストレス発散という価値がコーラに求められることが多く、そのニーズを満たす独自の商品を供給していることに触れ、日本市場は他国と比べて商品ラインアップの移り変わりが早い特徴があると話した。


 また、プラート教授は、プロモーション戦略として、広告に著名なミュージシャンやアスリートを起用する点は各国で共通していても表現方法は国によって変えていることを、CM映像を交えながら紹介した。米国では競合商品との大胆な比較広告を行うのが一般的であるのに対し、日本では比較広告になじみがなく受け入れられにくいといった違いがある、と強調した。プラート教授は講義の最後に、「競合他社はどんなマーケティング戦略をとっているのでしょうか。また、日本での広告戦略は海外でも通じるのでしょうか」などと生徒に投げかけ、「続きは大学の講義でやりましょう」と締めくくった。


 高校では、7月に予定されていた米国でのホームステイ研修が新型コロナウイルスの影響で中止になった。聴講した三好珠利杏じゅりあさんは「講義で生きた英語を体感できて刺激になった。わからない単語は電子辞書で調べながらついていった」と振り返った。ニュージーランドへの1年間の留学経験がある藤村拓斗さんは、「綿密に細かく考え、何が起こるか予測しながら次の手を打つマーケティング戦略は、部活動で打ち込んでいるヨットにも通じるものがあると思った」と感想を話した。

小樽商科大学

1911年に開学した小樽高等商業学校を前身とし、1949年に新制大学として発足。国立大学では唯一の社会科学系単科大学。学部は商学部のみの1学部4学科(昼間コース、夜間主コース)。

小樽商科大学

「コーラ」で国際マーケティング戦略を解説
@香川・高松商業高校

PRAET Carolus

商学部商学科 教授 オランダ出身/ヤンセニウス グラマースクール

 小樽商科大学(北海道)のカロラス・プラート教授は、香川県高松市の県立高松商業高校を訪れた。国際マーケティングなどを研究するプラート教授はオランダ出身。大学では講義を英語で、ゼミ活動を日本語で行っている。この日は英語実務科2年の38人を前に、「世界にコーラを売る挑戦 ペプシの国際マーケティング戦略」をテーマに英語で講義をした。


 プラート教授は初めに、マーケティングそのものを「顧客ニーズを満たす価値を提供することで、継続的に商品やサービスを利用してもらい、継続的に利益を得るための行為」などと定義した。グローバル企業が複数の国でマーケティングをする場合、国ごとに戦略を変えるのか、あるいは国際標準として同じ戦略をとるのかが主な課題だと指摘し、その二つを組み合わせて製品やプロモーションを展開するペプシコーラの事例を紹介した。


 同社主力製品のコーラには世界共通の部分がある一方、欧米では「ダイエット」という言葉に抵抗感を持つため、商品名につけるのを避けているという。また、日本では「強炭酸」「強カフェイン」の刺激によるストレス発散という価値がコーラに求められることが多く、そのニーズを満たす独自の商品を供給していることに触れ、日本市場は他国と比べて商品ラインアップの移り変わりが早い特徴があると話した。


 また、プラート教授は、プロモーション戦略として、広告に著名なミュージシャンやアスリートを起用する点は各国で共通していても表現方法は国によって変えていることを、CM映像を交えながら紹介した。米国では競合商品との大胆な比較広告を行うのが一般的であるのに対し、日本では比較広告になじみがなく受け入れられにくいといった違いがある、と強調した。プラート教授は講義の最後に、「競合他社はどんなマーケティング戦略をとっているのでしょうか。また、日本での広告戦略は海外でも通じるのでしょうか」などと生徒に投げかけ、「続きは大学の講義でやりましょう」と締めくくった。


 高校では、7月に予定されていた米国でのホームステイ研修が新型コロナウイルスの影響で中止になった。聴講した三好珠利杏じゅりあさんは「講義で生きた英語を体感できて刺激になった。わからない単語は電子辞書で調べながらついていった」と振り返った。ニュージーランドへの1年間の留学経験がある藤村拓斗さんは、「綿密に細かく考え、何が起こるか予測しながら次の手を打つマーケティング戦略は、部活動で打ち込んでいるヨットにも通じるものがあると思った」と感想を話した。

小樽商科大学

1911年に開学した小樽高等商業学校を前身とし、1949年に新制大学として発足。国立大学では唯一の社会科学系単科大学。学部は商学部のみの1学部4学科(昼間コース、夜間主コース)。