髙木 丈也
総合政策学部 専任講師 東京都出身/埼玉県立所沢高等学校
高木丈也専任講師は10月23日、奈良県大和高田市の県立高田高校で「コリアンから見る世界」と題して、1、2年生計75人に講義した。
高木講師の専門は韓国語学、方言学。言語を手がかりに、世界各地に暮らすコリアンに関するフィールドワークに力を入れている。
授業の冒頭で「ディアスポラ」という言葉を示した高木講師。「種をふりまく」を意味するギリシャ語に由来する言葉で、「母国や祖先の故郷を離れて暮らす人々」の趣旨として使われている。「コリアンは世界で4番目に大きいディアスポラ集団で約8千万人いる」と紹介した。
世界に散在するコリアンの研究からは、さまざまな政策や人の動きが見えてくるという。韓国の男性アイドルグループNCTについて採り上げ、「メンバーにアメリカ人や中国人、タイ人がいる。ディアスポラのいる国の同胞を入れることで、その国のファンが起爆剤になり、世界的な人気を引き起こす。Kポップは戦略的」と読み解いた。
あわせて、歴史を知ることの大切さも呼びかけた。中国で暮らすコリアンが約210万人いる背景には、戦前の日本の政策で旧満州国に移住したいきさつがあることを伝えた。一方で最近は中国にいるコリアンが韓国に出稼ぎにいく傾向がみられ、中国内でコリアン文化をどう継承していくかがコミュニティーで課題になっていることも示した。
高木講師は学生時代、東京外国語大学でベトナム語を専攻したが、第2外国語に選んだ朝鮮語に魅力を感じ、入学し直したという。「状況が許すならば、アンテナを張り巡らして興味のおもむくままに渡り歩くのもいいのかと思う」
受講した2年の東福織愛さん(16)は「日本から見た外国のことしか考えたことがなかったけれど、違う視点から世界を見る方法があることを知り、視野が広がるように感じた」と話した。
慶應義塾大学
1858年、福沢諭吉が江戸に開いた蘭学塾が始まり。「実学」の重要性を説いた福澤諭吉の志と理念を受け継ぎ、多くの卒業生が各界で活躍する。総合政策学部は「未来を切り拓くための政策を創り、実践する」ことを理念とし、学生は、神奈川県の湘南藤沢キャンパス(SFC)で幅広い学問分野を横断して学ぶことができる。
●公式ウェブサイト https://www.keio.ac.jp/ja/
髙木 丈也
総合政策学部 専任講師 東京都出身/埼玉県立所沢高等学校
高木丈也専任講師は10月23日、奈良県大和高田市の県立高田高校で「コリアンから見る世界」と題して、1、2年生計75人に講義した。
高木講師の専門は韓国語学、方言学。言語を手がかりに、世界各地に暮らすコリアンに関するフィールドワークに力を入れている。
授業の冒頭で「ディアスポラ」という言葉を示した高木講師。「種をふりまく」を意味するギリシャ語に由来する言葉で、「母国や祖先の故郷を離れて暮らす人々」の趣旨として使われている。「コリアンは世界で4番目に大きいディアスポラ集団で約8千万人いる」と紹介した。
世界に散在するコリアンの研究からは、さまざまな政策や人の動きが見えてくるという。韓国の男性アイドルグループNCTについて採り上げ、「メンバーにアメリカ人や中国人、タイ人がいる。ディアスポラのいる国の同胞を入れることで、その国のファンが起爆剤になり、世界的な人気を引き起こす。Kポップは戦略的」と読み解いた。
あわせて、歴史を知ることの大切さも呼びかけた。中国で暮らすコリアンが約210万人いる背景には、戦前の日本の政策で旧満州国に移住したいきさつがあることを伝えた。一方で最近は中国にいるコリアンが韓国に出稼ぎにいく傾向がみられ、中国内でコリアン文化をどう継承していくかがコミュニティーで課題になっていることも示した。
高木講師は学生時代、東京外国語大学でベトナム語を専攻したが、第2外国語に選んだ朝鮮語に魅力を感じ、入学し直したという。「状況が許すならば、アンテナを張り巡らして興味のおもむくままに渡り歩くのもいいのかと思う」
受講した2年の東福織愛さん(16)は「日本から見た外国のことしか考えたことがなかったけれど、違う視点から世界を見る方法があることを知り、視野が広がるように感じた」と話した。
慶應義塾大学
1858年、福沢諭吉が江戸に開いた蘭学塾が始まり。「実学」の重要性を説いた福澤諭吉の志と理念を受け継ぎ、多くの卒業生が各界で活躍する。総合政策学部は「未来を切り拓くための政策を創り、実践する」ことを理念とし、学生は、神奈川県の湘南藤沢キャンパス(SFC)で幅広い学問分野を横断して学ぶことができる。
●公式ウェブサイト https://www.keio.ac.jp/ja/