講義リポート

東京理科大学

結び目を通して学ぶ 柔らかい幾何学
@昭和学院高校(千葉県)

大山口 菜都美

理学部第一部 数学科 准教授 千葉県出身/筑波大学附属高等学校

 大山口菜都美准教授は11月25日、千葉県市川市の昭和学院高校で、「結び目を通して学ぶ柔らかい幾何学」と題して、2年生計66人に講義した。


 大山口氏は、理学部数学科の准教授。この日の講義は実験で始まった。細長い赤色の紙とピンク色の紙を中央部で十字にはり付けたセットを生徒に配布。「色ごとに紙を1回ひねって両端を接着し、ねじれた輪を二つ作りましょう」


 大山口准教授は続いて、細長い紙の中央部にあるミシン目で紙を切るよう伝えた。紙の輪が二つバラバラにできた生徒もいれば、二つの輪がつながった生徒もいた。


 「紙をひねる方向によって、二つのパターンが分かれます」。大山口准教授はそう解説し、こうした結び目のあり方を考える学問が「結び目理論」の研究であることを伝えた。


 結び目理論は、どんなタイプの結び目があるのか、二つの結び目は同じ型なのかなどを研究する。身近な世界では、1本のひもであるネクタイに85通りの結び方があることや、家紋に様々な結び目があることも研究対象に重なるという。アミノ酸がひものようにつながるDNAの研究に結び目理論が応用されていることも紹介した。


 大学受験で物理学科か数学科か進路を迷ったという大山口准教授。「進路は高校生の時にはなかなか決めきれない。広い目で心が動かされるもの、楽しいと思うものを大事にしてほしい」と呼びかけた。


 大学で学ぶ数学については「問題を抽出して読み解いて証明する力が求められると思います」と語った。


 受講した小川泰知さん(17)は「結び目理論について、もともと興味を持っていた。直感的に分からなくても理論を組み立てれば解き方が見えてきそうなところに面白さを感じた」と話した。

東京理科大学

1881年、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神をかかげ、「東京物理学講習所」として設立された。創立以来、真に実力を身につけた学生だけを卒業させる「実力主義」を伝統とする。現在は、神楽坂、野田、葛飾、北海道・長万部のキャンパスに7学部33学科7研究科を擁する、日本随一の理工系総合大学となっている。

●公式ウェブサイト https://www.tus.ac.jp/

東京理科大学

結び目を通して学ぶ 柔らかい幾何学
@昭和学院高校(千葉県)

大山口 菜都美

理学部第一部 数学科 准教授 千葉県出身/筑波大学附属高等学校

 大山口菜都美准教授は11月25日、千葉県市川市の昭和学院高校で、「結び目を通して学ぶ柔らかい幾何学」と題して、2年生計66人に講義した。


 大山口氏は、理学部数学科の准教授。この日の講義は実験で始まった。細長い赤色の紙とピンク色の紙を中央部で十字にはり付けたセットを生徒に配布。「色ごとに紙を1回ひねって両端を接着し、ねじれた輪を二つ作りましょう」


 大山口准教授は続いて、細長い紙の中央部にあるミシン目で紙を切るよう伝えた。紙の輪が二つバラバラにできた生徒もいれば、二つの輪がつながった生徒もいた。


 「紙をひねる方向によって、二つのパターンが分かれます」。大山口准教授はそう解説し、こうした結び目のあり方を考える学問が「結び目理論」の研究であることを伝えた。


 結び目理論は、どんなタイプの結び目があるのか、二つの結び目は同じ型なのかなどを研究する。身近な世界では、1本のひもであるネクタイに85通りの結び方があることや、家紋に様々な結び目があることも研究対象に重なるという。アミノ酸がひものようにつながるDNAの研究に結び目理論が応用されていることも紹介した。


 大学受験で物理学科か数学科か進路を迷ったという大山口准教授。「進路は高校生の時にはなかなか決めきれない。広い目で心が動かされるもの、楽しいと思うものを大事にしてほしい」と呼びかけた。


 大学で学ぶ数学については「問題を抽出して読み解いて証明する力が求められると思います」と語った。


 受講した小川泰知さん(17)は「結び目理論について、もともと興味を持っていた。直感的に分からなくても理論を組み立てれば解き方が見えてきそうなところに面白さを感じた」と話した。

東京理科大学

1881年、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神をかかげ、「東京物理学講習所」として設立された。創立以来、真に実力を身につけた学生だけを卒業させる「実力主義」を伝統とする。現在は、神楽坂、野田、葛飾、北海道・長万部のキャンパスに7学部33学科7研究科を擁する、日本随一の理工系総合大学となっている。

●公式ウェブサイト https://www.tus.ac.jp/