講義リポート

東京大学

想像し、創造することが大切
@徳島県立城ノ内中等教育学校

川越 至桜

生産技術研究所准教授 神奈川県出身/神奈川県立湘南高等学校

 川越至桜准教授は11月6日、徳島市の徳島県立城ノ内中等教育学校で、「星の終わりの姿から未来社会をソウゾウしよう」と題して4年生(高校1年)約140人に講義した。


 最初に、自らの学びの歩みを紹介。中学生の時に科学雑誌で星の写真を見て「きれいだなあ」と宇宙に興味を持った。理科や数学が苦手だったが、高校の時に担任の先生が「いいんじゃないの」と背中を押してくれたという。


 大学進学後は「どうして大学の先生は授業が下手なのかな」と疑問を持って教育学も学び、大学院では科学技術コミュニケーションや工学にも関心を持った。ここ数年は認知科学に取り組んでいるという。


 「進路に悩んでも、まずは興味を入り口にして、その後フットワーク良く学んでいけばいい」と説いた。


 講義では、星の誕生から、太陽の10倍の質量を持つ星が進化の最後に大爆発を起こす「超新星爆発」までの過程を、スライドを使って説明した。


 大爆発時に大量に放出される素粒子の一種「ニュートリノ」について、「原子核の中にある陽子を地球サイズとすると、米粒ほどの大きさ」などと具体的に解説。星の誕生と進化に水素や酸素、炭素などが関わっているとし、「これらはすべて私たちの体の成分。元素レベルでは、宇宙の研究が私たちの遠い遠いルーツを調べることにもなる」と語りかけた。


 最後に、川越准教授は「これからの社会では『知識的な能力』と、論理的な思考力やコミュニケーション能力といった『社会的な能力』が必要になる」と、教科横断的な探求活動の重要性を強調し、「自分の頭でしっかり想像し、創造することが大切」と語った。


 講義を聴いた中西ゆうりさん(15)は「英語の教員を目指しているが、他の分野にも関心を広げて自分で考えていくことが大切なんだと感じました」と話していた。

東京大学

1877年に創設された、日本最初の大学。幅広い分野を学べる10の学部を持ち、主なキャンパスは、本郷地区、駒場地区、柏地区の3つ。2024年、「世界に開かれた大学」のシンボルとして「UTokyo」を大きく示す新しいロゴマークを制定した。生産技術研究所は、駒場地区にある工学を中心とする研究所で、国内外から1000人以上の研究者が集まっている。

●公式ウェブサイト https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html

東京大学

想像し、創造することが大切
@徳島県立城ノ内中等教育学校

川越 至桜

生産技術研究所准教授 神奈川県出身/神奈川県立湘南高等学校

 川越至桜准教授は11月6日、徳島市の徳島県立城ノ内中等教育学校で、「星の終わりの姿から未来社会をソウゾウしよう」と題して4年生(高校1年)約140人に講義した。


 最初に、自らの学びの歩みを紹介。中学生の時に科学雑誌で星の写真を見て「きれいだなあ」と宇宙に興味を持った。理科や数学が苦手だったが、高校の時に担任の先生が「いいんじゃないの」と背中を押してくれたという。


 大学進学後は「どうして大学の先生は授業が下手なのかな」と疑問を持って教育学も学び、大学院では科学技術コミュニケーションや工学にも関心を持った。ここ数年は認知科学に取り組んでいるという。


 「進路に悩んでも、まずは興味を入り口にして、その後フットワーク良く学んでいけばいい」と説いた。


 講義では、星の誕生から、太陽の10倍の質量を持つ星が進化の最後に大爆発を起こす「超新星爆発」までの過程を、スライドを使って説明した。


 大爆発時に大量に放出される素粒子の一種「ニュートリノ」について、「原子核の中にある陽子を地球サイズとすると、米粒ほどの大きさ」などと具体的に解説。星の誕生と進化に水素や酸素、炭素などが関わっているとし、「これらはすべて私たちの体の成分。元素レベルでは、宇宙の研究が私たちの遠い遠いルーツを調べることにもなる」と語りかけた。


 最後に、川越准教授は「これからの社会では『知識的な能力』と、論理的な思考力やコミュニケーション能力といった『社会的な能力』が必要になる」と、教科横断的な探求活動の重要性を強調し、「自分の頭でしっかり想像し、創造することが大切」と語った。


 講義を聴いた中西ゆうりさん(15)は「英語の教員を目指しているが、他の分野にも関心を広げて自分で考えていくことが大切なんだと感じました」と話していた。

東京大学

1877年に創設された、日本最初の大学。幅広い分野を学べる10の学部を持ち、主なキャンパスは、本郷地区、駒場地区、柏地区の3つ。2024年、「世界に開かれた大学」のシンボルとして「UTokyo」を大きく示す新しいロゴマークを制定した。生産技術研究所は、駒場地区にある工学を中心とする研究所で、国内外から1000人以上の研究者が集まっている。

●公式ウェブサイト https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html