活用事例

愛知みずほ大学(名古屋市)

大学独自のワークシートを作成
意見発表の前後2段階で記述

最新記事を使った「生きた教材」

時事ワークシート「新聞の読み解き」を
使って授業をする樫内久義講師

プロパガンダ、虚実ないまぜ、全体主義……。学生たちが記事を読む間、愛知みずほ大学の樫内久義講師は、キーワードを次々に板書していった。題材となっているのは、「『私の真実』居直る時代」という朝日新聞文化面の記事。トランプ米大統領が政権に批判的な記事を「フェイクニュース」とこき下ろし、世界最大の英語辞典が2016年を象徴する言葉として「ポスト真実」を選んだ時代状況を解説した、少々硬めの記事だ。

樫内講師は、お手製のプリントを学生たちに配っていた。①気になった言葉や意味が分からない言葉を挙げてみよう、②記事を読んだ印象や疑問に思ったことを100字程度で書いてみよう、とある。板書は①で学生が書いた言葉を拾ったもの。それらを簡潔に解説して理解を促した後は、②を書かせて発表させる。情報の受け手として「何が真実か、気をつけなければならない」と話した学生や、「うその情報を流さないよう気をつけたい」と発信者としての心構えを発表した学生もいた。学生たちは発表を聴きながら、③他の人と②について比較してみよう、の欄に仲間の意見を書き込んでいく。

2年生の「文章表現」の授業のひとこまだ。愛知みずほ大学では、時事ワークシート(WS)の「新聞の読み解き」などに、先生たちが独自のシートを付け加えて、授業を行っている。通常は、まずは一人で既製のシートに取り組み、発表後にほかの人の意見などを踏まえて独自のシートに記述するという2段階になっている。

「時事WSは、最新の新聞記事を題材とした生きた教材です。最近は新聞を購読していない家庭もありますが、素材となった元記事がついているので、新聞の読み方を教えることもできるのがいい」(樫内講師)

系列高校でも受験対策に活用広がる

「日本語コミュニケーション演習」で学生が提出したワークシート。
既製のシートの右側に、大学独自のシートを加えてある

樫内講師のこのメソッドはもともと、1~2年生を対象とする「日本語コミュニケーション演習」の授業で練り上げられたものだ。2017年度、この授業を担当する阪美里・人間科学部准教授によれば、「新聞の読み解き」の既製シートと独自シートの記述で、成績評価を行うという。最新ニュースのキーワードを穴埋めする「週間トップニュース」は宿題として配り、次の授業の冒頭で小テストを課している。

系列の瑞穂高校の教壇にも立つ樫内講師は、高校でも時事WSを契約することにした。 「最新時事用語の辞書は手に入りませんが、時事WSの用語解説を集めれば辞書代わりになる。分野ごとの検索もできるので、カスタマイズも可能です。AO(アドミッションオフィス)入試や推薦入試の面接対策など、大学入試にも役立ちそうです」

〈時事ワークシートの使い方〉
  • ① 1~2年の授業に大学独自のシートを加えて配布
  • ② まずは一人で問題に取り組み、既製シートに解答
  • ③ 学生が発表、仲間の解答を独自シートに書き取る
  • ④ 最後に意見の変化と振り返りを独自シートに記述