活用事例

千葉商科大学(千葉県市川市)

シートを冊子にまとめ入学前の課題に
初年次教育でも活用広がる

論理を組み立てる力は、スマホでは養えない

「疑問を感じたら自分で調べるという姿勢が大切」と話す鈴木春二副学長

2018年に法人設立90周年を迎える千葉商科大学(千葉県市川市)が、学部の枠を超えて教育の質を高める目的で設置した「教育改革センター」。センター長を務める鈴木春二副学長は、学生の基礎学力を養うため、入学前教育や初年次教育に力を入れている。その教材の一つとして選んだのが、時事ワークシート(WS)だ。

17年度入試でも、12月期までのAO(アドミッションオフィス)入試や推薦入試で合格した1000人超に、入学前の課題として冊子を配った。10種類ある時事WSから、時事用語や慣用句などの語彙力を高める「実践ことば力」、社説の時事用語を穴埋め問題にした「社説キーワード」など17枚を選んで、とじたものだ。解答・解説や素材記事は付けず、自分で調べて解くよう求めた。

「いまの学生は、インターネットの普及でいろいろな情報に接していますが、その内容は精査されていません。新聞という精査・検証された情報をもとに、ものごとを考える力をつけてほしい。大学で求められる思考の論理を組み立てていく力は、スマホでは養えませんから」(鈴木副学長)

解答用紙は2月上旬までにほぼ全員が提出。大学職員らが一枚一枚、採点して返却した。

新聞記事こそ、文章のパターンのお手本

2017年度のAO・推薦合格者1000人超に配った
時事ワークシートの冊子

「新聞の文章を読めるということは、どこの国でも基礎学力を測る基準」と話す鈴木副学長は、各学部の1年生が受ける「初年次ゼミ」でも、図書館やeラーニングなどと並んで、時事WSの活用を呼びかけている。

「学生は文章を書くのが苦手。初年次ゼミではリポートの書き方から教えています。文章に個性を求める声もありますが、まずは論理的な文章のパターンを身に着けてもらうことが大事。その典型、お手本となるものが、新聞記事なのです」(鈴木副学長)

各学部の初年次ゼミで単位を取れなかった学生には、教育改革センターと連携した基礎教育センターが再履修させるなど、フォローも抜かりない。

〈時事ワークシートの使い方〉
  • ① 12月期までのAO・推薦入試合格者に配布
  • ② 時事用語や慣用句を自分で調べて解答
  • ③ ほぼ全員が提出、職員らが採点
  • ④ 初年次ゼミでも基礎学力養成に活用