活用事例

活水女子大学(長崎市)

全1年生受講の教養セミナーで活用
新聞スクラップ学習を補足・強化

“4点セット”を毎週継続

幼児にスマホを与えることの賛否をテーマにした
「新聞の読み解き」に取り組む、活水女子大学の1年生

大学4年間の学びの礎を築き、社会へ目を向けていく、活水女子大学の「教養セミナー」。文学・音楽・健康生活・看護の計4学部8学科の1年生270人(2017年度)の全学生が、1年かけて受講する。活水女子大がこの授業の柱に据えるのが、新聞の活用だ。

学生は自分で選んだ新聞1紙を定期購読し、2日に一度のペースで年間160本以上の記事をスクラップ。各クラスでは、スクラップ記事をもとに要約のプレゼンテーション、グループディスカッションやレポート作成を行う。1年の締めくくりとして、各自が積み重ねてきたスクラップのなかからトピックを絞り、論文を作成する。

「新聞を教材とするのは、社会事象を知り、知らない言葉を調べて語彙力をつけ、記事を読む作業を通して読解力を養うのに最適だからだ」と言うのは、香川実成・教養教育センター長。続けて、「これらの目的を網羅しており、記事スクラップによる学習を補足・強化するうえで不可欠な教材」として挙げるのが、時事ワークシートだ。

1面記事のキーワードを穴埋めする「週間トップニュース」、社説のキーワードを穴埋めする「社説キーワード」、漢字の読み書き「天声人語・漢字」、時事用語や慣用句などを学ぶ「実践ことば力」の4種類のシートを、年30回の授業のほぼ毎回、自習課題として配っている。翌週の授業では、解答・解説シートを使って学生は自己採点、各クラスの担当教員は、記事やコラムの内容の補足説明もしている。

香川センター長は、各シートの特性を次のように語る。

▽週間トップニュース…様々な分野のテーマを選ぶことで、学生自らはあまり読まない話題に目を向けさせることができる。
▽社説キーワード…事実と意見(社論の部分)を区別しながら読む訓練になる。朝日新聞以外を購読している学生は、同じテーマが自分の購読紙ではどのように扱われているか、比較することができる。
▽天声人語漢字…天声人語は辞書語彙を覚えるのに最適。シート下部の語注をきちんと読めば、多くの「知らなかったことば」が「使えることば」になる。
▽実践ことば力…不正解の選択肢として出題された語句の意味や用例についても、解説を読み込むことで、辞書語彙、新聞語彙ともに豊かになる。

グループワークで「他者理解」実践

「週間トップニュース」などを、夏休みの
課題や入学前課題として課している

2回に1回の授業では、「新聞の読み解き」にも取り組む。知らないことば、重要だと思った点、疑問点などをマークしながら記事を読ませ、最後の記述式問題は、複数の学生の意見をクラスに紹介している。

教養セミナーの目的の一つは、「他者理解」だと、香川センター長は言う。そのため、約20人で編成されるクラスと、そのなかでさらに分けられるグループワーク用の4~5人の班は、いずれも8学科の学生が交ざるように工夫されている。自分と異なる専攻分野を学んでいる人の意見に耳を傾け、同時に自分の意見も主張できる力をつける――。そんな学びに、「新聞の読み解き」も生かされている。

〈時事ワークシートの使い方〉
①1年生の「教養セミナー」の自習課題として、4点セット(週間トップニュース、社説キーワード、天声人語・漢字、実践ことば力)を毎週配布。翌週の授業で、答え合わせ、解説
②「教養セミナー」のグループワークで、「新聞の読み解き」に取り組む。4点セットを含め、シートはすべて学習の記録としてファイリング。ファイリングも成績評価の対象に
③「実践ことば力」「天声人語・漢字」各15シートを冊子にして、夏休みの課題に
④推薦入試、AO入試で入学が決まった生徒には、入学前課題として、4点セット各10シートを配布。各学科の担当教員が添削して、返送