活用事例

崇城大学(熊本市西区)

社会を映す「生きたサンプル」新聞のよさを実感
就職活動など将来のキャリアデザイン考える第一歩に

崇城大学の教育改革本部長兼就職部長を務める藤本元啓・総合教育センター教授に、
時事ワークシート活用の現状について聞いた。

シート上の語群(選択肢)を消して配る独自の工夫

教育改革本部長兼就職部長の
藤本元啓・総合教育センター教授

前任校の金沢工業大学時代から数えると、時事ワークシート(時事WS)を大学の授業で使うようになって6年になります。本学では、私が移籍してきた2016年を機に教材として導入しました。

最大の長所は、やはり新聞記事から作られている点です。新聞記事は、めまぐるしく変わる社会を映す「生きたサンプル」。新聞に目を通せば世の中の動きに敏感になり、就職活動など自分の将来を考えるきっかけづくりにも役立ちます。

時事WSに親しんで新聞のよさを実感できるようになった結果、新聞本体を読む習慣が身につき、キャリアデザインの第一歩を踏み出すことにもつながるはずです。

現在、約650人が学ぶ工学部・情報学部・生物生命学部の1年生必修の「キャリア基礎Ⅰ」、2年生必修の「キャリア基礎Ⅱ」の授業に「新聞の読み解き」など10種類のWSを採り入れています。新聞の読み解きは、記述式の問題に答えることで重要なニュースに対する理解が深まります。

授業で使う際には独自の工夫をこらしています。解答を所定の語群(選択肢)から選ぶ穴埋め式の問題では、語群を消して学生に配ります。選択肢のレベルまで絞り込まれると、問題の前後の言葉や文脈からも容易に答えの見当がつくからです。元記事が手元にあれば十分です。

ほかにも、人文社会科学系科目で科目に関連するWSを配布したり、環境科学の科目で領域に関するWSをワークブックとして冊子化したりして利用。さらに今年度から、3年次の就職対策講座や公務員講座での活用も検討しているところです。

20本を綴じた冊子を入学前に配布、解答と提出義務づけ

時事ワークシートを使った授業「キャリア基礎Ⅰ」
のグループワークで意見を発表する学生

授業以外でも活用しています。推薦入試やAO入試に合格して2017年の春に入学した学生には、入学前年の12月ごろに、20本のWSを綴じた冊子を配りました。「2017時事問題トレーニングノート」と題し、4種類のWSで構成したものです。具体的には、日本語の語彙力を伸ばす「実践ことば力」▽図表やグラフから必要な情報を読み取る「図とグラフ」▽対話形式の記事などをもとにニュースを理解する力を養う「話題のニュース」▽「新聞の読み解き」です。

巻頭で、大学生に必要な学びのあり方や身につけてほしい力を明示。「(そこに至るための)『はじめの一歩』に挑戦してみましょう。(中略)大学では新聞を材料とする授業があります。(この冊子をきっかけに)新聞を読む習慣をつけて、社会の動きに関心をもつ一歩先を進む新入生であってください」と記し、取り組むことと提出を義務づけました。

〈時事ワークシートの使い方〉
① 「キャリア基礎Ⅰ・Ⅱ」の授業でシート1本の問題と元記事を学生に配布
② 学生は知らない用語や読めない漢字に蛍光ペンで印をつけながら20分間で解答
③ 学生数人が解答を読み上げる
④ 教員が解説
⑤ 学生5~6人が1グループになって20分間、討議
⑥ 各グループの代表が抽象的ではなく具体的な意見を発表