如水館高校 (広島県三原市)
小論文対策で活用
“朝学習”で毎週取り組み
如水館高校(広島県三原市)では、1年生から3年生まで約500人の特進コース生徒が毎週金曜日の朝学習で「時事ワークシート」に取り組んでいる。
6月7日の高校1年生の朝学習では、「熱中症特別警戒アラート」をテーマにした「図表の読み解き」が配られた。生徒たちは記事中の重要そうなポイントに線を引くなどして読み込み、アラートの概要を示した図表からデータを探し出し、記事中の空欄を埋めていった。
朝学習中に終わらなかった生徒は週末を利用して答案を作成し、月曜日に提出する。担任と副担任がチェックし、説明が必要そうなテーマについては総合学習の時間にフォローするという。今回のテーマでは、身近な公共施設でどういった熱中症対策をしているかを調べたり、他の自治体との取り組みの比較をしてみたりするなど、発展的な学習を促した。
総合型選抜や学校推薦型選抜を受験する生徒が増え、そこで課される小論文の対策がこれまで以上に重要となってきている。国語を担当する森靜教諭は「小論文は文章力さえあれば書けると勘違いしている生徒がたくさんいますが、書く内容が伴っていないと評価はされません。そのためにはいま世の中で起きていることへの基本的な知識と、それについて自分なりの考えを持つことが大切です。時事ワークシートはこの二つの力を養うことができる」と話す。
答案は教職員が添削して戻している。森教諭は「新聞の読み解き」の自分の考えを100字でまとめる設問では、答案が単なる資料の引き写しだけになっていないかを特にチェックしているという。「自分の意見を、根拠をもってきちんと出すのは難しいですが、この教材で力をつけてほしいと考えています」。
最近では「ヤングケアラー」をめぐる記事の反応が大きかった。「自分の身近にそういう存在がいたと気づく生徒や、福祉関係の仕事をしている親にいろいろ聞いてみた生徒もいました。時事問題に関心をもって、行動にうつすきっかけにつながったと思います」
ワークシートをきっかけに、福祉業界への就職に興味を持ったという生徒もいた。「時事ワークシートはキャリア形成の第一歩になる」と森教諭は話す。
お問い合わせ 朝日新聞社 時事ワークシート担当
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