佐賀県立唐津西高校(唐津市)
探究活動、テーマを見つける助けに
全学年が朝学習で
佐賀県立唐津西高校(唐津市)は2023年度から週1~3回、朝学習の時間に全学年の生徒が「時事ワークシート」に取り組んでいる。
6月の朝学習では、政治団体の幹部が逮捕された衆院補選の選挙妨害事件記事(5月18日付朝刊)をテーマにしたワークシートに取り組んだ。SNS時代の選挙活動の課題について、自分の考えを100字程度で書く問いには、「選挙のイメージが悪くなり、選挙に参加しない人が増える」「選挙活動に関する法律などを改正することが必要だと思う」と、生徒たちはさまざまな観点から解答を記入した。先生からは「good opinion」といったコメントや、生徒が考えを深めるためのヒントを書いて返却している。
導入を決めた田島正義教諭は、「いまは知識を詰め込むのではなく、考えてアウトプットできる能力の育成が求められています。時事ワークシートは、そういった能力が問われる小論文の対策などにも活用できます」と語る。
同高は、自分で課題をみつけ取り組む力を育てるために探究活動を重視し、今年度から「地域探究進学」「学際探究進学」の二つのコースを設置した。高校1年次に半年程度かけて自分が取り組みたいテーマを見つけ、2年からそれぞれのコースに分かれてテーマを深掘りしていく。田島教諭は、時事ワークシートは生徒が自分のテーマを見つける助けにもなると期待する。
「答えが簡単に出るようなテーマには生徒は興味を持ちません。時事ワークシートで扱われるテーマはどれも答えが出ない問いで、生徒たちは前向きに悩んで考え、興味をもって取り組んでくれています。いまの生徒はコロナ禍の影響もあって、さまざまな経験が不足していると感じます。世の中の出来事に触れることで、自分の世界を広げ、関心をもてることを見つける材料にしてほしいです」
新聞を読む機会がなかった生徒たちも最近は新聞に目を通すようになり、時事問題について生徒から質問を受けることもあるという。
お問い合わせ 朝日新聞社 時事ワークシート担当
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