霞ケ浦高校(茨城県阿見町)
根拠をしっかり、入念に下調べ
「食料自給率を向上させるために、大事なことは何か」。現代日本が抱える課題の一つに、高校1年生が取り組んだ。7日に霞ケ浦高校(茨城県阿見町)で行われた「現代の国語」の授業の一コマだ。
この問いかけは時事ワークシート「新聞の読み解き」の問題の一つ。「食料自給率 微増38% 昨年度」(8月6日付朝刊経済面)の記事を読み、100字で自分の意見を書く。
生徒たちは、いきなり解答を書き始めるのではなく、まずは記事を参考に、自分たちの知識で書けることを箇条書きで記す。さらにインターネットも使い、いろいろな人の意見も調べていく。「地産地消」「農業従事者の確保」……。生徒のメモには、意見をまとめるうえでのキーワードが書き出されていく。
「1年生だと、いきなり100字書けと言われると身構えてしまう」と国語科主任の佐藤琢矢教諭は話す。そのため、こうした準備作業を取り入れているという。「意見を書くときに重要なのは、『主張』とそれを支える『根拠』」(佐藤教諭)。思いつきではなく、具体的な「根拠」をきちんと書くことを徹底させている。
解答は4人のグループで交換する。お互いに感想を述べ、3段階で評価もつける。ここまで終えるのに、およそ授業時間の半分を使う。「現代の国語」で時事ワークシートに取り組むのは、数回に1度。残りは通常の国語の授業だ。
霞ケ浦高は、1~3年生の国語を中心に時事ワークシートを活用している。佐藤教諭は「ワークシートはファイリングして、大学入試の小論文や面接で意見を述べる材料になるようにためていく。入試では直近2カ月の話題を知っているだけではだめですから」と話す。
お問い合わせ 朝日新聞社 時事ワークシート担当
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